ペットボトル症候群→力が抜ける→スポーツの成績が出ない

4441c4cb18039a070795d84245515c8d

ボーッとする、集中力がなくなる
ソワソワ落ち着きがない
無気力になる
力が出ない感じ、身体がおもだるい
倦怠感や眠気、トイレに行く回数が増える
イライラ、カリカリ、攻撃的になる

この時期にくる小・中・高校生のケガや不調の元を辿っていくと、よかれと思って飲んでいたスポーツドリンクが原因だったというケースが多いです。

この傾向は年々増えている感じがします。

『ペットボトル症候群』(機能性低血糖)とは、スポーツドリンク、清涼飲料水などを大量に飲み続けることによっておこる症状(低血糖・低ナトリウム血症)のことです。

水代わりに1日に2リットルぐらい飲むと、120 – 200gもの糖分を摂ることになります。

くわえて、アイスクリームや食事からの糖分もあわせると・・・

いきなり結論

1.喉が渇いてから、水で十分
2.【スポーツドリンクがただの水より健康に良い】と裏付けるデータはない
3.スポーツドリンクを飲みすぎると疲れる?
4.予防のためと飲み過ぎると、血液が薄くなる【低ナトリウム血症】になる
5.OS1(経口補水塩)は予防薬ではなく治療薬

喉が渇いてから、水で十分

人間は体温の上昇を抑えるために汗をかくわけですが、この時にナトリウムやカリウムが喪失されるのは確かです。

汗の成分の99%は水です。

比率からいえば圧倒的に水分が失われています。

身体から水分がなくなり、血液が濃縮されて、ナトリウム濃度も高くなり、脱水傾向になると、喉が渇くという仕組みです。

確かに、高齢者や病的な状態だと、喉の渇きを感じにくい人もいます。

「喉が渇いたら、早めにこまめに水分を摂りましょう」

なら話はわかりますが、

「喉が渇かなくても、定期的に水分(スポーツドリンク)を摂りましょう」

適切なアドバイスなのでしょうか?

水を飲むと、だいたい30秒ぐらいで血管に入るといわれています。

これで十分なんですね。

水が飲みにくいのであれば、麦茶でOKです。

本当にスポーツドリンクは水よりも優れているのか?

20120611 76287

スポーツドリンクがよいというのは、古い話ではないんです。

激しいスポーツをすると、糖・水分・塩分・カリウムが失われるので、これを一緒にした飲料水を作り、それを運動中に適宜補充すれば、運動の効率が持続し、高いパフォーマンスが持続するのでは?

という推定を元に1965年に発売されたのが、ゲータレードなんですね(日本では1970年に大正製薬が導入して販売を開始)。

これが大ヒットしたので、そこからもっと使ってもらおうと、オリンピックなどの大きな大会でスポンサーになって、お金をかけて宣伝告知していった歴史があります。

これ飲んでおけば、パフォーマンスがあがりますよって話はわかりやすいですよね。

100歩譲って、スポーツをしている人にスポーツドリンクの補給がいいとしても、そもそもプロスポーツ選手にいいからといって、アマチュア選手にもいいとは限りませんよね。

練習量や運動量がまったくちがいますから。

商業主義で作られた幻想(ファンタジー)なんです。

スポーツドリンクを飲みすぎると疲れる?

8955fff4 s

暑い・スポーツをする→のどが渇く→スポーツドリンクをがぶ飲み

大量の糖分をとると、血液中のブドウ糖が増えて血糖値があがる。

高血糖の状態は、さらに喉が渇く→スポーツドリンクをがぶ飲み

すい臓からインスリンが多量分泌。(インスリンは血糖値を下げる)

逆に低血糖状態(機能性低血糖)になる。 → 身体がだるくなったり、疲れやすい。

脂肪を燃焼させて、血糖値を上げようとアドレナリンが分泌。 → イライラ、キレやすくなる。

ここ数年、スポーツをしているときに、熱中症の予防にと、喉が渇いてもいないのに、スポーツドリンクをガバガバ飲み過ぎて、低血糖状態になって倒れる学生が続出しています。

4ff91ee83a2ed

「糖」といっても、悪者ではなく、欠かせないエネルギーです。

糖質もいろいろ種類があって、ご飯と砂糖(の入った飲み物)では吸収の仕方がちがいます。

ご飯の場合は、吸収に3〜4時間ぐらいかかります。
雪解け水のようなので、血液の中にゆっくりと糖が増えます。

砂糖(の入った飲み物)は、大雨洪水ですね。
すぐに吸収され、川は洪水。
大量の糖を減らすために、インスリンが大量にでてしまいます。

内臓は大忙しで、疲れやすくなったり、だるくなったりするわけです。

やっぱり、糖の補給はご飯を食べるのが一番!

予防のためと飲み過ぎると、血液が薄くなる【低ナトリウム血症】になる

スポーツドリンクによる糖の摂り過ぎの他にも、スポーツドリンクを摂り過ぎて血液が薄くなる【低ナトリウム血症】も起こりやすいです。

2002年のボストンマラソンで行われた調査では、488名の採血を行ない、その13%に低ナトリウム血症を認めています。

レース後に低ナトリウム血症のために死亡した例もあるぐらい。

これはマラソンを走りながら、ジャンジャン水分を摂った結果、水中毒の状態になり、ナトリウムが低下して、脳への障害から死に至ったというわけです。

逆に多少、脱水傾向の方がパフォーマンスはあがるという論文はあるんです。

Sports drinks are increasingly regarded as an essential adjunct for anyone doing exercise, but the evidence for this view is lacking. Deborah Cohen investigates...
 

「喉が渇いてからでは遅い。
時間を決めてスポーツドリンクを摂りなさい。
そうでないと脱水や熱中症になりますよ」

この指導は、どう考えても納得のいかないモノが多いんですよね。

OS1(経口補水塩)は予防薬ではなく治療薬

なんでもかんでもスポーツドリンクの類が悪いとはいいません。

例えば、子どもが下痢したときや、高齢者が食事を摂れなくなったときや下痢の時、電解質と糖質とを含む飲み物は、有用性が高いと思います。

ポカリスエットやOS1(経口補水塩)は、予防に効果があるように宣伝され使用されていますが、これといった根拠はないんですね。

あくまでも、予防薬ではなく、治療薬として使う(飲む点滴)。

脱水は怖い
熱中症は危ない

という飲料メーカーによる宣伝が、医療を巻き込んで広く流布されている。

逆に「水毒」による体調不良に、苦しんでいる方が多いのが現在だと思います。

喉が渇くという、シンプルで奥深い身体のシステムを信頼せず、先回りして、水分を摂ることに意味はないんです。

みなさんもお気をつけなはれや。

スポンサーリンク

フォローする